やきもの戸田工房
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 CD「ワイアード」ジェフ・ベック
ワイアード=金縛りとは良くタイトルをつけたなあ。

ジェフ・ベックがヤン・ハマーやナラダ・マイケル・ウォルデン、マックス・ミドルトンらと1976年に発表したこのアルバムは、全曲緊張感あふれるプレイが続き、まさに「ワイアード」。

一曲目の「Led Boots」から「Love Is Green」まで、どこにも息を抜く所がない。ギター、キーボード、ドラム、ベース、メンバーお互いが丁丁発止で、真剣勝負そのもの。ベックのギタープレイはまったく無駄なところがなくて、鍛えられたボクサーの肉体のようだ。

ジェフ・ベック・グループの時にはヴォーカルがあったせいか、ベックのギターは唐突なフレージングが目立ったけど、このアルバムはインストであくまでベックのプレイが主役で自然だし。ベックとヤン・ハマーのソロの掛け合いが楽しめる「Blue Wind」と「Sophie」はいつ聞いてもカッコイイ。

でも、ベックがソロを取らずにバックを務める「Play With Me」がある意味1番の聞き物かな。バックでも全然リラックスしてないベック。バッキングでこんなに全力出す必要あるのかってくらい。毎回メンバーが入れ替わるのもわかる気がする。
ベックが物足りなくなるのかもしれないが、周囲も疲れちゃうんだろうな・・・。

そうそう、ビートルズのプロデュースもしたことのあるジョージ・マーチンがプロデューサーを務めている。音色に透明感があって、それがまたこのアルバムのすごさを引き立てている。聞いた後スカッとした爽快感があって、それも好きなところ。

www.flickr.com
 CD「図鑑」 くるり

くるりっていい。

ドライブ感があって、実験的な部分もあるし。歌の内容は女の子やゲームの事など、今の若い人のごくごく身近なことが多い。音も音響派を意識したりとか今風。

でも、ボクは日本のポップス・ロックの良質な部分を継承しているアーチストだと思っている。はっぴい・えんどやムーンライダーズ、細野晴臣など・・・
アメリカやイギリスのいろんな部分を吸収して、自分なりの表現をしていく。洋楽の吸収の仕方がより軽いというか、自分の表現方法に自然となっている。それはくるりだけに限らず、宇多田ヒカルや椎名林檎もそうなんだけど、洋楽がもうすでに肉体の一部になっていて、意識して取りこんでいる無理な感じがしない。

しかも、あいまいな言い方なんだけど、くるりは若いというか「青臭い」部分があって、それがまたインテリ臭さを消している。頭で音楽つくっているいやらしさがない。

次の『Team Rock』もいい。でも「マーチ」「青い空」など肉体性を感じる曲があるぶん、『図鑑』の方が好き。

いつまでも「青臭さ」を失わないでほしいな・・・

壁
 映画「ライブ・フレッシュ」監督:ペドロ・アルモドバル

ペドロ・アルモドバルというスペインの映画監督はとても個性的だ。

同性愛者やオカマ、ジャンキー、犯罪者などアブノーマルな人々ばかり登場するが、映画全体はとても上質の人間ドラマになっている。「オール・アバウト・マイ・マザー」は哀しくもおおらかな女性賛歌だった。
この「ライブ・フレッシュ」もそうだが、まず人の持つどうしようもないダメな部分を見せていく。凡百のドラマはそこから登場人物が真面目に更生していったりするのだが、この監督はちがう。そのダメさこそ人間だという見せ方をする。どんなにシリアスなストーリーでも(エイズになったり、レイプされたり、半身不随になったり)そこにはユーモアが残されている。だから見終わると不思議なあたたかさが残る。

それと、映像がとても美しい。ハイビジョンのような高画質の美しさではなく、画面構成がとてもよくデザインされているのだ。この作品でも冒頭刑事が拳銃で撃たれるシーンがあるが、弾丸が机、扇風機などを撥ねていく。
その時に机の上に置かれた本や扇風機のシルエットなど、とってもかっこいい。ほんの一瞬のシーンで何気に見ていたら気づかない。
そんなところまで凝っているところに「遊び」を感じる。  

道具
 CD「エレクトリック・レディランド」ジミ・ヘンドリックス

実はこの30年前の名盤を、つい最近初めて聞いた。

高校生の時、楽器屋で見たジミヘンのビデオ(ギターに火を点けちゃうやつ)は、とっても強烈で刺激的で脳裏について離れなかった。それを見て買ったデビュー作は、そんなにいいと思わなかった。なんといってもリズムが古臭い感じで、期待していただけに裏切られたような気がして、何回か聞いてそれっきりだった。

約20年ぶりのジミヘンだけど、「エレ・・・・」はかっこいいなぁ。以前からジミヘンというと「ギターの革命児」とかコンサート時の派手なパフォーマンスが取り沙汰されるけど、今回聞いてソングライターとして、シンガーとしてとっても魅力的に感じた。ブルースやR&Bなどの黒人音楽に立脚した、実にバリエーションに富んだ曲が多い。7thコードを多用してるけどポップだし。ジミヘンさえいれば、レニー・クラビッツやジョンスペはいらないなんて思ってしまう。

デビュー作もそうだったけど、リズム隊が少々弱いけど、ジミヘンの歌とギターがリズムをぐいぐい引っ張っていく。圧巻は「Voodoo Chile(slight return)」。ギターはまさにジミヘンの肉体の一部のようで、とてもよく歌う。今こういうプレイヤーっていないよなぁ。機械が肉体の一部のように感じたのは、唐津の中里隆さんの蹴ろくろもそうで、そばで見ていて鳥肌がたったっけ。

いまの若いロックファン(そんな人いるのかな?)にもぜひ聞いてもらいたいな・・・

削り
 映画「グリーン・デスティニー」
香港出身の監督アン・リーがアクション映画を撮るというのでとても楽しみだった映画。  

アン・リーは「恋人たちの食卓」「いつか晴れた日に」「アイス・ストーム」など、とても肌理が細かい演出で、好きな監督の一人。「アイス・ストーム」の冒頭シーンでは、アメリカ北部の冬の凍てつく寒さを、映像だけでなく音でも演出してみせた。

今回その肌理細かさは、意外にもアクションシーンで発揮。「マトリックス」以上にワイヤーアクションを多用したの剣技は、中国舞踏のようでとても美しかった。ハリウッド系の監督だったらこんな風にはならなかっただろう。

でも、その中国人とアメリカ人が作ったアクションシーンから連想されるのは、以外にも日本の忍者。忍者映画は日本には何本もあるが、子供だましばかりだった。この映画を見て「あっ、この手があったのか。日本映画もこんな風に忍者を撮れば良かったのか」と感じたのは、僕だけかな。

「ワイヤーアクションだけの映画」と酷評する向きもあるようだが、ぼくはそれだけで充分。ストーリーの不鮮明さも全く気にならない。新しいアクション映画の快作だった。

作業風景
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